枝見的考察記

社会/地域/経済の出来事を斜めの視点から描きます。

高層ビルは何棟まで増えるのか?【東京・大阪】

日本で初めて高さ100mを突破した高層ビル、霞が関ビルディングが建設されてから57年間の間、国内の高層ビル数は爆発的に増加しました。

1970年に百尺規制撤廃・容積率制導入以降、高層ビル数が定常的に建設されるようになり、90年以降の建設技術の向上と都心回帰が顕著になると、建設数は急増します。

 

2018年時点で東京と大阪には高さ100m以上の高層ビルが

東京23区:513棟

大阪市 :188棟

存在しており、その数は今後も増加していく見込みです。

 

一方で浜松町の世界貿易センタービルや梅田の大阪マルビルなど、黎明期に建設された高層ビルの解体や建て替えも始まっています。そうすると気になるのは”高層ビルって最終的に何棟まで増えるの?”という点です。

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最終的な数は単純な数式で表せる

実は最終的に高層ビルの建設数=解体数となった安定状態では、ビルの数は簡単な数式で表すことができます。それは下式です。

 

①:高層ビル数=1年あたり高層ビル建設数(=解体数)*高層ビルの耐用年数

平衡状態では他の事例に当てはめてもこの式が成立します。例えば江戸時代は人口が3200万人前後で推移していましたが、平均寿命が40歳と仮定すると、

 人口=1年間の出生数*平均寿命

⇔3200万人=80万(人/年)*40年

と出生数が80万人前後であったことが推察できます。

 

 

 

では数式①に実際の数値を代入してみましょう。東京と大阪の数値を考えるまえに、高層ビルの耐用年数を設定します。

高層ビルの耐用年数

 

ビル名 建設年 解体年 寿命(年)
世界貿易センタービル 1970 2021 51
大阪マルビル 1976 2023 47
東京海上日動ビル 1974 2023 49
赤坂プリンスホテル 1982 2011 29

 

 

 

上表を見ると、赤坂プリンスホテル以外は50年前後で解体工事が着手されています。とはいえ同年代に建設されていても、まだまだ現役で頑張っているビルも多く、寿命は60年前後ではないかと考えます。

もちろん寿命は用途で異なり、ホテルはオフィスに比べて新陳代謝が早い点や分譲タワマンは区分所有が一般的で建て替えハードルが高いといった違いがありますが、ここでは簡便化のため一律寿命を60年で設定します。

では次に東京・大阪の1年あたりの高層ビル建設数を見てみましょう。

 

 

高層ビル建設数

東京23区の場合

10年間の高層ビル建設数

2001~2010年 235棟

2015~2024年 176棟(未着工の計画を含む)

これを見ると、東京の1年あたり高層ビル建設数はおよそ20棟であることがわかります。

 

大阪市の場合

10年間の高層ビル建設数

2001~2010年 70棟

2015~2024年 70棟(未着工の計画を含む)

同様に見てみると、大阪の1年あたり高層ビル建設数はおよそ7棟であることがわかります。

 

高層ビルは何棟に?

では結局高層ビルは何棟になるのでしょうか?数値を代入してみましょう。

・東京

高層ビル数=20棟/年*60年=1200棟

・大阪

高層ビル数=7棟/年*60年=420棟

 

このあたりの数字まで増えて、その後落ち着くのではないかと推測します。もちろんビルの建設は経済や社会情勢に左右されるので単純には語れませんが参考までに。