枝見的考察記

社会/地域/経済の出来事を斜めの視点から描きます。

大阪市交通局が市営モンロー主義を捨てて直通運転を推進していたら【妄想路線図】

大阪の地下鉄は日本初の公営地下鉄として1933年に建設が始まった。現在ではニュートラム含め9路線108駅を抱える一大ネットワークを築いている。

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東京メトロに次いで日本第二の規模を誇る堂々たる地下鉄網だが、東京の地下鉄網とは異なる特徴を多く抱えている。

 

私鉄との直通の有無

その一つが、私鉄との直通運転系統である。東京では高度経済成長期以降建設された地下鉄の多くが私鉄と直通しているのに対して、大阪では堺筋線以外では私鉄既存線とは直通していない。

 

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私鉄との直通が盛んな東京地下鉄網

大阪で直通運転が進まなかったのは市営モンロー主義に要因が

ではなぜ東京と違い、大阪では私鉄との直通が進まなかったのだろうか?主たる要因として、大阪市交通局が持っていた市営モンロー主義(孤立主義)があげられる。

市営モンロー主義とは、大阪市外に交通局が進出しない代わりに、私鉄が市内交通に参入することを拒否する政策で、2011年に撤廃されるまで100年以上続いた。

 

私鉄ユーザーは乗り換えなければ都心部にアクセスできないことも

その名残で一部の私鉄(例えば近鉄大阪線⇒上本町、南大阪線⇒天王寺)は都心へ直通できず、アクセスするには地下鉄に乗り換える必要性が生じている。

 

じゃあ市営モンロー主義を捨ててればどんな路線図になったの?

そこで今回は仮に大阪が戦後に市営モンロー主義を放棄して、私鉄との直通系統運転を積極的に推進していたらどんな路線図になったのか・・・妄想路線図を描いてみた。

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妄想路線図を描いてみた

10路線中7路線で直通運転

妄想路線図では10路線を作成したが、そのうち7路線で私鉄と直通している。直通先も12系統あり、ほぼ全ての郊外住民が乗り換えなしで大阪都心部にアクセスできる。

 

四つ橋線はハードルが高い

直通している7路線のうち、四つ橋線だけは戦前より建設されていて、集電方式が私鉄とは異なるので、方式変更工事が必要となる。

 

これで便利になる?

今の路線網に比べて便利かどうかの評価について、郊外住民は間違いなく利便性が向上する。都心部住民を運行本数増+路線数増によって利便性が向上するのではないだろうか?

 

※あくまで妄想です

今回描いた路線図はあくまで【大阪が市営モンロー主義を捨ててたらどんな路線図になったのだろうか?】の妄想路線図である。実在の路線や交通政策審議会の答申内容とは無関係ですのであらかじめご了承ください。