以前yahooの混雑マップを利用して、三大都市圏の都市構造の違いを紹介した。今回は都市計画法で定められている”用途地域”を用いて、東京と大阪の都市構造の違いを見ていきたいと思う。
結論から言うと混雑マップで見るより用途地域の方が正確に構造を確認できた。ただ手軽さでは混雑マップの方に分がありそう。
東京の用途地域地図
都心と副都心の関係
東京駅付近の都心部は広範に商業地域を抱えているのに対し、渋谷・新宿の両副都心は少し歩けば住居専用地域が広がっている。副都心が鉄道とともに発展した街であり、都市機能もあくまで都心を補完するものであることが推察される。
山手線沿線には巨大な街、内側には良質な住宅地が
もう一つの特徴は山手線内側エリアに第1種・第2種低層住居専用地域が見られる点だ。東京では山手線沿線に巨大な街が形成されており、その内側は良質な住宅地としての側面も保有している。そのため早稲田や四谷など、表通りから一本入れば住宅地に様変わりするエリアが結構ある。
大阪の用途地域地図
都心と副都心の関係
梅田=難波間の都心部はすっぽりと商業地域で覆われている。天王寺や京橋も都心部から隔絶されているとは言い難いことから、都心と副都心を明確に分類することは難しい。
大阪環状線の沿線には下町、内側には住宅地は殆どない
また大阪環状線沿線は梅田や天王寺、京橋を除くと、山手線で見られたような大規模な商業地域が存在せず、準工業地域と住居地域が混在する下町エリアとなっている。
さらに環状線内側には上本町を除き住居専用地域が存在せず、低層住居専用地域に至っては大阪市に全く存在しない。このことから大阪では都心近郊に良質な住宅地が少ないことが見て取れる。
まとめ
・東京は山手線沿線に巨大な街が、大阪では環状線内側に街が形成されている。
・山手線内側には良質な住宅地が存在するが、環状線付近にはそうしたエリアがない。
なお今回は詳細な用途地域図を使用したが簡易的な用途地域図も見やすいのでオススメ。
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