枝見的考察記

社会/地域/経済の出来事を斜めの視点から描きます。

コロナ禍後のオフィス需要はどうなるか【減る?増える?】 

 

コロナウイルスの大流行は人々のライフスタイルを大きく変質させた。テレワークや企業の本社機能の地方移転はその代表例といえるだろう。それに伴って”都心のオフィスは不要になる”という趣旨の記事を目にすることも多い。

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一方でオフィスの需要は変わらない、寧ろ感染対策で一人当たりのスペースが増えるのでオフィス需要が増加するといった強気の見方も存在する。

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上記のように様々な予測が混在している中で、どのように将来の需要を予測していけばよいのだろうか、、オフィス需要は今後増えるのか?それとも減るのか?そこで今回は供給サイドから今後のオフィス需要について検討してみようと思う。

 

供給側の思惑から需要の見通しは掴める

大前提として企業は儲かると思わなければ財を供給しない。オフィスビル建築の場合で言うと、テナントが集まらないとディベロッパーが考えれば、ビルを建設するメリットがないので、建設計画が凍結されることになる。

2008年のリーマンショックでは多数の計画が凍結された

著者は大阪出身なので大阪の事例になってしまうが、リーマンショック時には数多くの計画が実際に凍結され、目抜き通り沿いに塩漬けされた土地が駐車場として並ぶ現象が発生した。

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リーマンショック時に凍結された計画(一部は近年再始動)

コロナショック下では名古屋と神戸の計画が延期された・・・

今回のコロナショックの煽りを受けて、既に名古屋駅前の大規模再開発とJR三ノ宮駅ビルの建て替え計画が延期されている。しかし計画の凍結/延期の動きは限定的で、ほかのプロジェクトに関する凍結/延期の情報は今のところ入ってきていない。

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延期された名駅前の横幅400mビル

東京/大阪/福岡での影響は限定的

東京/大阪/福岡の3都市では旺盛なオフィスビル建設が行われている。例えば大阪ではコロナショック以降でも御堂筋沿いを中心に、新規の大規模オフィス建設計画が浮上しており、ディベロッパーは今後の需要見通しについて、ある程度強気の予想をしていることがわかる。

 

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東京トーチタワーは日本一のノッポビルに(390m)

名古屋と神戸の計画延期はディベロッパーの体力が原因?

ではなぜ名古屋と神戸の計画のみ延期されたのだろうか?筆者はこれを開発元の経営体力に原因があると考える。

名鉄名古屋駅再開発計画は名鉄主体の再開発であるが、名鉄は主力の鉄道事業にコロナショックが直撃し、9月期の決算で赤字に転落している。そこで巨大プロジェクトを決行する経営体力があるかどうかを、コロナの影響を加味して再検証する必要性が生まれたため、計画を延期したものと考えられる。

JR三ノ宮駅ビル建て替え計画はJR西日本主体のため、資金面での余力はあるだろうが、同社は既に”大阪駅西口ビル””新大阪再開発””広島駅ビル再開発計画”等多くのプロジェクトを抱えているため、三ノ宮駅計画まで手が回らず延期に至ったと推察できる。

 

まとめ

・オフィス需要の見通しは様々な意見がある

・供給元の見通しは強気

・しかし供給元のキャッシュ余力がなくなれば計画が凍結/延期されることもある