上記事でも軽く触れたが、京阪神地区では現在”なにわ筋線”の建設整備が進められている。同地区では他にも”メトロ中央線””大阪モノレール””北大阪急行”延伸整備も進められているにも関わらず、なにわ筋線の話題性は群を抜いておりメディアで取り上げられる機会も多い。何故なにわ筋線はこれほどまでに注目されるのか?
1.なにわ筋線は空港アクセスを飛躍的に向上させる
なにわ筋線は関空へのアクセス路線として建設される。現状関空へは「南海」と「JR」が乗り入れているが、南海は難波止まりなこと、JRは環状線に乗り入れるため所要時間がかかるという課題があった。
そこで新たになにわ筋線を建設することで、南海は梅田乗り入れ+阪急連絡線で十三/新大阪への乗り入れを、JRは停車駅削減による快速運転を実現させる計画は浮上した。
大阪北部、京都、神戸方面のユーザーから関空への所要時間が大幅に短縮されるうえ、”関空へ向かう列車はすべて北梅田の同一ホームから発着する”という分かりやすさによって心理的にも関空がより身近に感じられるようになるだろう。
2.なにわ筋線は御堂筋線のバイパス路線となる
現状大阪の主要エリアである”新大阪/梅田/難波/天王寺"の全てを通っているのは大阪メトロ御堂筋線のみだ。当然同路線に混雑は集中しており、電車の遅延も多発している。
四つ橋線とバイパス路線の役割を担う形に
四つ橋線は梅田⇔なんば間で既に御堂筋線のバイパス路線の役割を担っている。なにわ筋線難波駅は地下深くor繁華街から離れたエリアを走るため、新大阪⇔梅田、天王寺と梅田⇔天王寺で御堂筋線のバイパス路線の役割を担うことになると考えられる。
特に新大阪⇔天王寺間は現行の22分から14分に短縮される見通しで、大阪南部に住む方々の新幹線へのアクセスが改善される。
3.南北の直通運行系統が可能になる(関西版湘南新宿ライン?)
なにわ筋線の効果として3つ目に新大阪から先京都線に直通することで京都線-なにわ筋線-阪和線の直通系統運転が可能となる。差し詰め”京都和歌山ライン”といったところか。
現状関西には東西直通系統は2路線存在する(学研都市線-東西線-福知山線直通系統と近鉄奈良線-阪神なんば線/本線系統)一方で南北の直通系統が存在しない。そのため大阪市を跨いだ南北間移動をするには、一度市内で乗換をする必要性がある(御堂筋線のみ例外)。直通運転系統の出現で新たな移動の需要が生まれ地域経済が活性化することが期待される。
まとめ
なにわ筋線の意義は
・空港アクセスの向上
・市内移動の改善
・直通系統による南北間アクセス向上
と多岐に渡っており、他の鉄道延伸計画に比べて期待される経済効果も比較にならないほど大きい。
期待効果が大きい分、メディアに取り上げられることも多いと考える。