関西経済の起爆剤とも謳われる”なにわ筋線”が今年度中に着工される。関西人でも存在を知らない人が多く、また別途詳細記事を書こうと思うが、単純に言うとJR難波駅から北進する路線を建設し、梅田⇔関空を環状線を通らずに繋ぐ計画だ。
これにより大阪梅田⇔関空の所要時間は現状の64分(関空快速)から最速38分(直通ラピート)に短縮される見込みだ。
しかし盛り上がっているなにわ筋線の計画の裏で、もう一つの計画が先送りされようとしている。
阪急伊丹空港連絡線
都心と直結15分?
現状伊丹空港にはモノレールが乗り入れているが、同路線は大阪郊外を結ぶ”外環状路線”のようなもので、都心方面に向かうには「蛍池で阪急線」か「千里中央で御堂筋線」に乗り換える必要がある。当然所要時間はかかるうえ、荷物の多い観光客やビジネスマンにとって乗換はとても苦痛だ。
乗換不要のリムジンバスも多数運行されているが、こちらは梅田まで所要時間40分かかるうえに、阪神高速池田線は渋滞慢性路線と定時運行性が著しく悪い。
そのため梅田と伊丹空港をダイレクトに15分で結ぶ路線を建設することで、利便性の向上が期待されていた。
採算性に疑問?
同路線が全線地下で建設されるため建設費が高額なのと、空港利用者以外の利用客が見込めないことが原因だと考えられる。
儲かるかどうかで考えていいの?
しかし空港アクセス線を”儲かるか儲からないか”だけで決めていいものだろうか?空港は都市の玄関口で、ビジネスや観光には欠かせない存在だ。特に伊丹空港は国内線基幹空港で利用者も多い。空港と都心が時間的に近くなることにより都市の魅力が向上し、ひいては投資の呼び込みや経済の活性化につながるのではないだろうか?
実際上記のように福岡空港は都心と空港が近い”コンパクトシティ”を実現しており、地方都市の中では最も元気のある都市と言われている。
まとめ
・伊丹空港連絡線は空港アクセスを飛躍的に向上させる画期的な路線
・全線地下建設のため採算は厳しい
・それでも大阪の都市魅力向上のために建設すべき