枝見的考察記

社会/地域/経済の出来事を斜めの視点から描きます。

【参院選】 第26回参議院選挙の一票の格差は? 合区は増えるか?

※昨日安倍元総理が凶弾に倒れ亡くなりました。ご冥福をお祈りいたします。

※この記事は個人の調査であり正確性を保証するものではありません。

 

明日7/10は第26回参議院選挙です。参議院選挙は基本的に県単位の選挙区と地方ブロックの比例から選出されており、任期は6年で3年ごとに半数が改選されます。

 

ここで基本的に県単位としたのは、2016年選挙時点で2つの選挙区が複数県にまたがる合区となっているからです(高知・徳島 と 鳥取・島根)。合区の発生は一票の格差を是正するための措置であり、人口の少ない地方の県から都市部の都府県に議席を移管するための措置でした。

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令和3年10月時点での一票の格差

合区の設置により2016年には3倍を切った一票の格差ですが、その後の人口増減により再び3倍を超えています。違憲状態と司法が判断すれば、更なる選挙区の見直しが発生する可能性があります。

(上位5県下位5県を着色して強調、総務省データをもとに筆者加工)

 

 

今後の区割り見直しについて

石川+福井は1人区化?

まず現時点で最も一票の価値が大きい(=有権者が少ない)福井については、隣接する石川県と合区になる可能性があります。両選挙区を足しても議員当たり有権者数は岡山と同程度で、適正水準と言えるでしょう。

 

山梨、和歌山、香川、佐賀は合区に出来るか?

次いで有権者の少ないこれら4県についてみていきましょう。

山梨の場合は長野、和歌山は奈良、香川は愛媛、佐賀は長崎が合区のペア候補ですが、単純に足すと議員当たりの有権者数が多くなってしまい(指数で2.8以上)、一票の重みが減りすぎてしまいます。そのため単純に合区にして1議席化することはないと考えます。

解決策としては、合区のうえで定数を2とすることが有効です。これならば一票の重みを平準化することができます。しかし2人区になってしまうことは与党にとってメリットが少ないため、実現できるかは別の話です。

 

0増1減実行時の票格差

本記事の妄想区割り見直しを反映したうえでの一票格差表を最後に貼付します。当見直しによって一票の格差は2.3倍まで押し下げることができ、これで違憲状態を解消できると考えます。