2026/3/31現在、SNSでは直美問題が改めて取り上げられています。
発端はYotuberで東京医科歯科大学に在学していた藤白りりさんが美容外科の道に進むことを、最新のYotube動画で報告したことにはじまります。
これを受けてXでは「税金を投入しているのに社会的責務を果たさないのはおかしい」「個人の幸福追求はあたりまえ」など賛否さまざまな意見が飛び交っています。
本ブログでは今回の事案から少し視点を広げて、現代日本社会の「エリート意識」や「帰結主義」について考えていきたいと思います。
エリート意識
「良いエリート意識」とは
皆さんはエリート意識と聞いて何を思い浮かべますか?「高慢でプライドが高い」「選民思想的」と思い浮かべる人も多いかもしれません。確かにそうした側面も否定はできませんが、エリート意識はネガティブな要素だけではありません。
エリート意識は「優秀な自分は社会に責務を果たさなければならない」という、いわゆるノブレスオブリージュ的な価値観も含んでいます。これを便宜上「良いエリート意識」と呼びます。
「良いエリート意識」は欧州の貴族文化と密接につながっていました。そして明治の日本でも武士道精神との親和性もあり、「良いエリート意識」の価値観も広まったわけです。
「良いエリート意識」の衰退
第2次世界大戦によって日本の身分制度は解消されましたが、この「良いエリート意識」はしばらく存続しました。しかし2000年代に入ってからは明らかに社会の中で少数派になってきました。医学部だけの問題ではなく、例えば東大生や京大生の人気就職先はここ10年一貫してコンサルです。社会への貢献よりも自分の経済利得を追求している証左ではないでしょうか?
私はこれを悪いことだと言いたいのではありません。社会の変化によって当然起こるはずの価値変容であり、これをもって個人の資質をあげつらうのは、却って問題を矮小化しています。この社会の変化の一つに「帰結主義の浸透」が挙げられます。
帰結主義
帰結主義とは
帰結主義とは行動や行為の正当性を帰結から評価する考え方です。平たく言うと「結果が全て」ということです。この考え方は「儲かったほうが正義」の資本主義との親和性も高い特徴があります。
帰結主義の浸透
これを個人の視点で置き換えてみると「いかに楽をして沢山稼ぐか」が至上命題となります。最近流行りのタイパやコスパも個人レベルの帰結主義にあたります。資本主義的な価値観の浸透によって、帰結主義的な思考をする人が貴方の周りにも増えているのではないでしょうか?
まとめ
以上のことから医学部の直美問題や東大生のコンサル志向は、「良いエリート意識の衰退」と「帰結主義の浸透」で説明することができます。言い換えると資本主義的な価値観が広まったということです。
重ねて申し上げますが、私はエリート意識を持たない人、帰結主義的な人を批判しているのではありません。ただこうした社会の変容は少し寂しく思うところもあります。