ステイタスとは?
飛行機によく乗られる方であれば一度は見聞きしたことのある言葉かと思います。各航空会社で所定の条件をクリアするとステイタス会員になることができ、空港での航空会社ラウンジ利用や優先搭乗など様々な恩恵を受けることができます。
そのため飛行機利用者の中には特定の航空会社しか利用しない方や搭乗実績のために飛行機を利用(”修行”)するをする方(”修行僧”とも呼ばれます)もいるほどです。
JALのステイタスプログラムの変更
そんな飛行機利用者の憧れでもあるステイタスプログラムですが、実は2024年からJALのプログラムが大幅に変更されています。
詳細な変更点は以下の記事を参照していただくとして、ざっくりと変更点は以下の2点です。
- 集計期間を単年度実績から累積実績に変更
- 実績加算対象をこれまでの搭乗実績に加えて、クレジットカードやJAL mallなどJALが展開する各種サービスの利用実績に拡大
特に①の変更が大きな反響を呼んでおり、これまでは1年間に50回搭乗すれば永年のステイタスが獲得できたものが変更後は登場回数換算で累計300回の搭乗が必要になりました。変更当初は一部”修行僧”や航空系インフルエンサーの方からプログラム”改悪”だと批判されている発信も見聞きしました。
しかし筆者は企業側の視点に立った場合、必ずしも今回のプログラム変更はサービス改悪にはなっていないと考えています。
航空会社目線でのステイタスプログラムの価値
利用者からみたステイタスプログラムの価値は先述しましたが、航空会社にとってのステイタスプログラムの価値は一言で”大切なお客様に手厚いサービスを提供する”ためのものです。(百貨店の外商や銀行のプライベートバンクの機能に似ています)
ここでポイントになってくるのは航空会社にとって大切なお客様とは誰かということです。
大切な顧客とは顧客生涯価値の高い顧客
企業にとって一番大切なお客様は顧客生涯価値(LTV)の高い、すなわち多くの収益をもたらしてくれる顧客です。
では単年に集中して搭乗する顧客と毎年着実に搭乗する顧客、あるいは飛行機のみ利用している顧客とJAL周辺サービスを利用してくれる顧客のどちらがJALグループ全体に収益をもたらしてくれるのか?答えは明白ではないでしょうか。
ステータスプログラム変更はJALのホスピタリティ精神のあらわれ
最近は永年ステイタス保持者が増えてラウンジが混雑することも多いと聞きます。JALに収益をもたらさない顧客がラウンジを利用することで本当に大切にしたい顧客がサービスを享受できなくなってしまっては本末転倒です。またJALはANAに比べて関連サービスの展開が後発で、関連サービスの利用を促しグループ全体としての収益を高めたいといった思惑も今回のプログラム変更につながったと考えます。

まとめ
上記よりJALのステイタスプログラムの改変は”顧客生涯価値の高い顧客を大切にする”と同時に”周辺サービスの利用を促すことで顧客生涯価値を高める”意図があると言え、経営戦略的に正しい改定といえる