枝見的考察記

社会/地域/経済の出来事を斜めの視点から描きます。

”野党は何でも反対する”はミスリードな件

”野党は反対ばかりする””野党は反対する割に対案を持ってこない”

こうした言説を聞いたことがある人は多いのではないだろうか?確かに過去の民主党政権時の政権運営能力の低さや、とにかく与党の揚げ足取りをしている昨今の党略を見ていると、こうした言説は正しいもののように見えがちだが、国会の採決結果を見てみると、一概に”野党が反対ばかりしている”とも言えないのである。



意外と多い全会一致

H29の6/14-6/16における参議院の22議案の採決結果を下表にまとめた。

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×は反対票(自民が×になっているのは問責決議案)

これを見ると可決22議案中10議案はほぼ全会一致で、11議案は民進党賛成のもと可決されている。”野党は何にでも反対する”はミスリードであることが分かる。

 

 

 

何故そうしたイメージが?

では何故”野党は何時も反対している”イメージを持たれるのか?

 

争点でなければメディアに取り上げられない

まず全会一致する法案は、そこに関して異議が出ない案件なので争点が存在せず、メディアから見ると視聴率や部数が伸びないため、取り上げられないのではないかと考える。

 

党の広報戦略

次に立憲民主党の広報戦略があると考える。民主党は自民党の補完ではなく代替政党を自認しており、自民党との対決軸を明確に据える必要がある。そうすると自民党に賛成した/協議の結果法案を修正させた案件よりも、真っ向から相容れない議案をアピールし、自身の存在意義を示すことが有効になる。

 

維新は真逆の戦略

こうした民主党の広報戦略と反対の道を取るのが維新だ。維新は是々非々を主張しており、自民党と協議して法案修正させたことを自身の実績としてアピールする傾向にある。

 

こうした党の広報戦略の違いが、実態以上に民主⇒何でも反対というイメージを醸成したものと推察される。