枝見的考察記

社会/地域/経済の出来事を斜めの視点から描きます。

万博輸送は大丈夫?(大阪メトロ中央線)

2025年に大阪夢洲にて万国博覧会が実施される。「1970年以来実に55年ぶりの万博で、まさに”夢よ再び”といったところか。

地図でお分かりの通り、夢洲は都心部から離れた海の上にある。現状では鉄道が通っておらず、2025年までには大阪メトロ中央線が延伸される予定だ。

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他路線の延伸は見送り

中央線以外に表示されている、JR桜島線と京阪中之島線の延伸はまだ計画段階で、2025年までには完成しない。よって万博輸送の鉄道アクセスは中央線の一本で担われることになる。

 

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中央線以外の延伸計画は実現せず

輸送力は充分か?

大阪府市は万博来場者数を半年間で2800万人と見積っている。一日当たりに換算すると約16万人だ。一方でアクセス経路は先述の中央線及び新大阪/梅田等から発着する直通バスの2種類しかなく、両者への混雑が予想される。

今回は40%がメトロ中央線/60%がバスを利用する場合の必要輸送力を検証する。

中央線の場合

メトロ中央線は現在6両編成で定員820人である。仮に3分間隔で運行する場合は毎時16,400名を輸送することが出来る。メトロを利用して来場する人が9:30-15:30に、帰宅する人が14:00-20:00に集中することを考えると同時間帯での平均乗車率は、万博輸送客のみで63%に達する。実際には手前の大阪港にある海遊館や通勤客もいるので、かなりの混雑となることが予想される。

 


バスの場合

バスは1台あたり45名ほどを輸送できる。新大阪と梅田の2か所から同本数発着すると仮定すると、それぞれ1,000台/日=160台/時間に達する。毎分3本が発着することになり、乗降時間を考えると大混雑することが見込まれる。

 

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東京モーターショーではバス混雑が常態化している

どうすべき?

以上のことから、鉄道/バス共に大混雑が予想されることが分かった。特にバスは3本/分と非現実的な輸送量となっており、抜本的な改善が必要となるかもしれない。

メトロ中央線の8両化が良案

現在6両編成のメトロ中央線を8両編成化することが良案だと考える。他に選択肢が無いというのが実情だが、8両化のメリットとしては

1.中央線のホームは8両対応なので、工事が不必要

2.通勤ラッシュの混雑が酷く、万博抜きに考えても8両化は有効

3.将来的に夢洲内にIRが開業する可能性があり、長期的な需要がある。

 

新車両の40000系が8両になるかどうか?

現在中央線では新型車両の40000系の投入を決定している。この車両が8両編成にて投入されることを期待したい。

 

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