枝見的考察記

社会/地域/経済の出来事を斜めの視点から描きます。

【2020年版】人口移動報告を読み解く【東京一極集中】【京阪神と中京は?】

人口移動報告とは?

人口移動報告とは住民基本台帳システムをもとに人の移動をデータ化したものだ。

www.stat.go.jp

リンク上では報告資料が閲覧できるが、データを自分好みに編集して可視化することも可能(なはず)だ。

 

東京一極集中が加速

日頃からニュースを見ている人は当然ご承知だろうが、東京一極集中は社会問題と化しており、東京圏の転入超過傾向は緩和されるどころか激しさを増している。

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政府は令和6年までに東京圏の転入超過を解消すると明言しているが厳しい状態と言わざるをえない。

 

ポイントはもうひとつある

その他の三大都市圏・・すなわち大阪圏と名古屋圏はいずれも転出超過となっている。しかしその内実を見ると両者には大きな違いが確認できる。

 

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転出超過が縮小する大阪と拡大する名古屋

上表を見ると大阪圏では直近転出超過数が縮小傾向なのに対して、名古屋圏では転出超過が拡大傾向なのが分かる。昨年はついに両者の転出超過数が逆転した。(この逆転現象は天災等の影響を除けばオイルショック以来)

 

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大阪圏は好調なインバウンドに支えられ経済好転

大阪圏は繊維産業や家電産業の衰退、金融産業の東京へのシフトによる地盤沈下の影響で長らく経済は停滞し、慢性的な転出超過に陥ってきた。しかし昨今のインバウンド需要の拡大により域内に観光資源を多数抱える大阪圏の景気は上向きだ。また万博の誘致成功やIR(統合型リゾート)の誘致合戦での先行など大阪圏はしばらく明るいニュースが続くだろう(日韓関係の冷え込みやコロナウイルスなどのリスクはあるが)。

足元を見れば2023年~2025年は転入超過になる可能性も充分にあるだろう。

 

名古屋圏は自動車依存の脱却と都市の魅力向上が急務

名古屋圏は2000年代前半まで好調な自動車産業に支えられ発展してきた。都市圏自体の収益構造が自動車産業に過度に依存しており、今後も安定的に発展していくには自動車以外の稼ぎ頭をつくっていく必要があるだろう。

また並行して都市の魅力を高める必要がある。名古屋は全国主要8都市の魅力ランキングで最下位になっており、都市自体に地方から人を引き付ける力が不足している。都市自体の魅力が弱いことは、これからの人口減少社会において致命的であり、今後都市の魅力の向上と発信に取り組むことが重要と思われる。

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都市ブランドイメージ調査(名古屋市が実施)